鍼灸の種類って何があるの?

鍼灸は、鍼や灸を使って経穴を刺激し、自然治癒力を高める治療です。東洋医学や漢方医学の一分野として、血行改善や免疫の活性化などの効果が期待できます。
本コラムでは、鍼・灸の種類について詳しく解説します。肩こりや腰痛など、体の不調でお悩みならぜひご参考にしてください。
鍼治療と種類について
鍼治療は、ステンレスや銀製の鍼を用いて経穴(けいけつ)や、筋肉などに刺激を与え、体の自然治癒力を高める治療法です。この治療により、血行促進、代謝向上、肩こりや腰痛の緩和、疲労回復、胃腸機能の調整など、さまざまな健康効果が期待できます。
鍼治療に利用される鍼には、以下の3種類があります。
- 皮膚に刺すタイプ
- 毫鍼(ごうしん)がこれに該当し、直径約0.2ミリの細い鍼を皮膚に1ミリから数センチの深さで刺入します。
- 皮膚に刺さないタイプ
- 鍉鍼(ていしん)がこれにあたり、先端が丸く、心地よい刺激を提供します。このタイプは、特に子どもや刺激に敏感な方、さらには美容目的で使用されます。
- 皮膚に貼るタイプ
- 円皮鍼(えんぴしん)や置き鍼(おきばり)があり、経穴に貼付することで持続的な刺激を与えます。
毫鍼の挿入には、痛みを軽減するための管鍼法(かんしんほう)が一般的です。これは、鍼をストロー状の管に挿入し、軽く叩いて皮膚に刺入する方法です。また、鍼管(しんかん)を使用せずに行う撚鍼法(ねんしんほう)も存在します。鍼治療は、肌の新陳代謝を促進し、しみやたるみなどの美容面に対しても効果が期待されています。
灸治療と種類について
灸治療は、経穴(けいけつ)に艾(もぐさ)を置き、火をつけて温熱刺激を加え、体調を整える伝統的な治療法です。艾はヨモギの葉を乾燥させて作られており、肩こり、腰痛、冷え性、筋肉痛の改善に効果があるとされています。
灸治療には、以下のように皮膚にやけどをさせない工夫を凝らした方法があります。
- 知熱灸(ちねつきゅう)
- 艾を皮膚上に直接置き、燃焼させる方法で、患者様が快適と感じる温度に保ちながら治療を行います。
- 温筒灸(おんとうきゅう)
- 紙の筒に艾を詰め、皮膚との間に空間を作ることで、適度な温熱刺激を与えます。
そのほか、艾や火を使用せず、電子温灸器、光線治療器、超音波治療器などの機械を用いた治療法もあります。
当院では、患者様の症状や治療の目的、痛みの度合いによって鍼の長さや艾の量を調節するなど、鍼灸による効果が最大限得られるようにケアを行っています。肩こりや冷え性などにお困りの方は、ぜひ一度当院までご相談ください。